最新のC型肝炎治療薬マヴィレットが登場。

最新のC型肝炎治療薬である『マヴィレット』がいよいよ登場いたします。近年、C型肝炎の治療は経口剤の開発により著しく進歩しておりますが、『マヴィレット』は1日1回の内服を8週間続けることにより、ほぼ100%に近い治癒率が確認されています。

しかも、透析患者さんを含む重度の腎機能障害の患者さんにも有効です。

さらに、1型のみでなく、2型の患者さんにも8週間の内服で同様の成績が得られています。

日本では珍しいジェノタイプ3-6型まで治療が可能です。

非代償性肝硬変の患者さんにも効果が確認されています。非代償性肝硬変の方およびジェノタイプ3-6型の方には12週間の投与が必要とされています。

重大な副作用はほとんどありません。
リピトール、リファンピシン、アサタナビル内服中の方は投与禁忌となっておりますのでこの点は注意が必要です。

2017/11/9

C型肝炎にハーボニーを超える新たな新薬誕生(エレルサ/グラジナ)


 長きにわたり難治性疾患であったC型肝炎ですが、近年、経口剤の開発によりわずか12週間の治療により98%の方が治癒するようになりました。

なかでもハーボニーはウイルス耐性変異の問題や副作用の少なさから、大きな役割を果たしました。しかし、ハーボニーの大きな弱点は重度の腎機能障害のある患者さんには使用できないことでした。

一方で透析中の患者さんにはC型肝炎の患者さんが多くおり、その治療にはダクルインザ/スンべプラが使用されてきましたが、ウイルス耐性変異のある患者には効かないことがあり、副作用で治療が中断することもままありました。

このたびMSD株式会社から市販されるエレルサ/グラジナは患者背景に影響されず、ジェノタイプ1型のC型慢性肝炎および非代償性肝硬変に対し96%程度の有効率を示しており、さらに重度腎機能障害合併患者に対しては99%の有効性を示しました。

また、HIV合併患者に対しても95%の有効性が示されました。

これまで腎機能障害のある患者さん、ことに透析患者さんの治療には専門医でさえ、手探りの状況でしたが、大きな間口が開かれたといえるでしょう。

2016/11/27

C型肝炎が完治する時代になりました
 


C型慢性肝炎は、難治性の疾患で自然に治ることはありません。
たとえ見かけの肝機能がほぼ正常でも、慢性炎症が徐々に進行し
肝臓がやけどのあとのような線維組織に置き換わり、
からあげのように硬くかたまってしまいます。
肝臓は巨大な代謝工場ですが、その役割を果たせなくなります。
これを肝硬変といいます。
肝臓は『沈黙の臓器』といわれており、かなり悪化しないと症状がみられません。
採血をほとんどしない施設やエコーの設備がない施設では、多くが見のがされてしまっております。
 
肝硬変の死因は主に3個あげられます。
ひとつは肝機能が極限まで悪化して肝不全になってしまうことです。
黄疸、腹水、浮腫、肝性脳症による意識障害などが主な症状です。
次は肝癌の合併です。肝硬変そのものが癌の発生母体となるため、
治療を繰り返しても、もぐらたたきのように新たな病変がでてきます。
3個目は食道静脈瘤の破裂による消化管出血です。
この場合、多くは肝不全も合併してきます。
肝臓が硬くなり本来肝臓へ戻るべき血液が、肝臓へいくことができなくなり、
胃や食道の血管を利用して心臓へと戻るため、食道の静脈が状に拡張し、
内圧が高くなるため、やぶれると大出血するのです。
食道静脈瘤は内視鏡にて簡単に予防治療ができるため、破裂して担ぎ込まれる患者さんは、
ほとんどいなくなりました。
 
これまでの治療はインターフェロンという注射薬で、副作用がつよく、治療に最低半年、長くて1年半を要しました。それでも治る確率は低く、患者、担当医ともにがっかりとしたものでした。
 
この数年でC型肝炎の治療は飛躍的に進歩しました。
内服薬2剤を3か月継続するだけで、なんと98%もの患者さんが治癒して肝炎ウイルスが消滅するのです。
なかでもハーボニーはほとんど副作用がなく、11回の薬をきちんと飲むだけで、何の苦痛もなくいつの間にか3か月が過ぎ、ウイルスが陰性化していきます。
 
治療終了後3ヶ月目の肝炎ウイルスの検査で治癒の確認がなされます。
硬くなってしまった肝臓も徐々にやわらかくなり、その機能も回復していきます。
 
ただし、一度C型肝炎に罹患している方は、肝癌になる可能性は健常人に比し高いので、
数か月ごとの腹部エコー、肝機能採血、肝癌マーカーの採血が必要です。
 
ハーボニーによる治療は薬剤費がとびぬけて高く1人当たり600万円ほどかかりますが、保健所に申請すれば医療費給付が受けられるようになり、通常は月に1万円、高収入の方でも月に2万円の負担で治療が受けられます。
 
肝炎治療は県から『神奈川県肝臓専門医療機関』に指定される必要があります。
当院は指定施設であり、すでに多くの治療を手掛けております。
 
慢性肝炎は肝機能がわずかに上昇している程度のこともあり、中には肝機能は全く正常の方もおられます。一般内科の外来では多くの患者さんが、未診断のまま放置されております。一度は肝炎ウイルス検査を受けておきましょう。
 
慢性肝炎の診断・治療に関してはインターフェロン時代から長年にわたり豊富な経験のある当院へお任せください。
十分に精査したうえで、病状に応じて適切に対応させていただきます。
 
2016/10/28