週刊誌などでの医療不振に関するネガティブキャンペーンは全くの間違いです。
 
馬鹿げた記事が性懲りもなくくりかえし連載されていますね。
皆さんは冷静に判断して適正な治療を受けてください。

日本で行われてる医療の多くが間違っているものであるなら、どうして世界最高水準の平均寿命が達成できているのでしょうか?

お薬で血圧が安定してきたのなら、喜んで継続していればよいのです。
薬をやめることが目的ではありません。
必要に応じて薬を適正に利用して、健康寿命を延ばすことが医療の最大の目的です。

血圧を200で放置しておいてよいはずがありません。
脳出血で寝たきりになるのがおちです。
血圧の適正なコントロールは脳卒中や心筋梗塞の予防に大きく関与しています。

コレステロールの薬についても間違った情報であふれています。
コレステロールの薬には単に悪玉コレステロールであるLDL-Cを下げる働きがあるだけでなく、動脈硬化の予防効果があるのです。

通常はLDL-Cは140mgdl以下が目標ですが、心筋梗塞でステントがはいっているかたは、100以下にコントロールしていく必要があります。
血管壁に付着したプラークをおとすにはLDL-Cを70mg/dl以下にしたほうが良いということがわかっています。LDL-Cは低ければ低いほど良いのです。

日本人の平均寿命は世界でトップクラスです。
日本の医師は、一生懸命勉強して患者さんにとって最善の医療をめざしています。
どうかあなたの主治医を信頼してください。

なお、記事に紹介されている重篤な副作用は何万人ないし何十万人に1人のものです。
もしも、体に合わないようであれば、その時点で調整してもらえばよいのです。
勝手に薬をやめたり、受診を中断することはやめましょう。

また、一般のかたでも、このような記事を真に受けて、きちんと治療を受けている方に対して、『薬は体によくない』とか『やめたほうが良い』などと無責任なことを言っている方が、多数おられます。その方々は、どの程度医療の知識を持たれているのでしょう。
病気の治療は個別治療であり、個々の患者さんに、その治療を受けなければならない理由があります。
無責任に患者さんの治療について口をはさむべきではありません。

私も私的にご相談を受けることは多々ありますが。医師の立場においても、他の医療機関での治療方針について、口をはさむことはありません。相談された場合には状況をよくお聞きして、一般的な診断法や治療法についてご説明は致します。ただし、主治医の先生によくご相談されるようにとアドバイスいたします。自分でみてもいない患者さんに対して断定的なことを言うなど、言語道断です。

週刊誌がどうしてこのような記事を掲載し続けるのか?それは、そのようなショッキングな記事を載せることにより週刊誌がよく売れるからです。その他の記事をみていただければよくわかると思いますが、非常に低俗な内容ばかりが掲載されております。皆さんは、貴方のことをよく理解して、良質な医療を提供しようと努力している医師よりも、低俗な週刊誌の記事を信じるのですか?このようなもうけ主義の不誠実な週刊誌は今後購入しないようにしましょう。

薬をやめたことにより、あるいは検査や治療を拒否したことにより、患者さんが重症化したり死亡された場合の責任はこれらの出版社にあります。
どのように責任を取るつもりなのでしょうか?責任など取りません。
週刊誌の記事により仕事を失い生活できなくなった方、家庭崩壊におちいった方、自殺された方など多数おられます。記者たちはその様な結末に対して何とも思わない方たちなのです。

医療内容、治療方針などについて、疑問がある場合には、きちんと主治医にご相談ください、納得できるまできちんと説明していただけます。